今回のルート
奈良田から大門沢を経由し農鳥小屋へ。翌日は農鳥小屋から間ノ岳を経由し北岳登頂。下山は広河原へ。広河原からはバスで奈良田へ戻るコース。
白根三山
日本第二位の北岳(標高3193m)、同じく第3位の間ノ岳(標高3190m)、16位の農鳥岳(3026m)・15位の西農鳥岳(標高3051m)の3つの山の総称。農鳥岳は標高が低いが本峰となっている。
いずれの山も表高3000mを超えており、天空の稜線とも呼ばれ天気が良ければ中央アルプス、南アルプス赤石岳方面、富士山、八ヶ岳などの周囲の絶景を楽しみながら稜線歩きができる。
北アルプスに比して険しい岩稜帯は少ない。
奈良田第一駐車場から大門沢小屋へ
登山者の駐車場
奈良田の登山者駐車場は集落の手前にある奈良田第一駐車場。ここから先には登山者の駐車場はない。集落のお寺の前に温泉などの観光客用に駐車場があるが、夜間は出入りできないようにロープが張られている。第一駐車場には仮設トイレあり。水場なし。駐車場前の道路に広河原方面行きのバス停あり。また駐車場手前が広河原からのバスの終点となっている。
第一発電所まで
駐車場から、道路を歩いて奈良田集落。更に先に歩いて、橋を渡り、発電所関連施設の横を通り歩いて行く。舗装された車道で歩きにくいことはない。暗くても電灯があるため真っ暗となることはない。暫く歩くとゲートが設置されたトンネル(開運隧道)入り口に到着。
ここには守衛がいて、ここから先は許可車両しか進めない様になっている。また、このトンネル手前が第一発電所バス停となっている。大門沢から下山した場合、ここからバスに乗って奈良田第一駐車場まで乗車可能。
今回は利用しなかったが、駐車場から第一発電所までバス利用し(210円)、大門沢へ登ることも可能。(山梨交通 広河原路線 HP)
下記の図は2023年度の情報です。料金は改定前のものになっていますのでご注意ください。
奈良田第一発電所は平日であれば見学もできるようです。希望する方は早川水系発電管理事務所に電話で見学可能か問い合わせてくださいだそうです。(早川水系発電管理事務所HP)
大門沢小屋へ
しばらくは工事用の林道(舗装済み)を登る。やがて、林道を離れ、登山道に入る。途中、崩壊した林道の迂回のルートなどで登りかえしなどがあり。吊り橋もある。
沢沿いを歩き、数箇所渡渉ポイントがあるが、丸太橋などがかけられていて、水量が多くなければ靴が濡れることもない。今回は非防水のトレランシューズだったので濡れずに済んで助かった。
やがて沢沿いを離れてきれいなブナの林の中を歩く。ちょうど紅葉時期で、非常に気持ちよく歩ける。紅葉した落ち葉が一面に広がり、踏み跡がよく見えないこともある、ピンクリボンが要所で設置されているが、紅葉時期なので背景に同化してみえにくいことがあるのでルートロスに注意が必要。
ブナの林を抜けると再び沢沿いを登る。ちょっとした岩を登ったりしながら進むと、大門沢小屋に到着。
大門沢小屋で水補給して体力温存
今回は稜線上の農鳥小屋は冬季閉鎖となっているので、水は自分で持っていくことになり、5Lの水を持っていくことにした。登山開始時から5Lを担ぐのは大変なので、ルート上の最後の水場となる大門沢小屋(標高1776m、訪問時冬季閉鎖)で5L補給することにした。これなら、稜線まで標高差約1000m担いで登ることになって、いくらか体力温存可能。(登山口から持っていくと標高差約2000mを担ぐことになる)
テント場の先に水場があって、訪問時も潤沢に大岩の下から美味しい水が出ていた。ここで持ってきた水筒にフル補給かつ登る前にある程度水を飲んでできるだけ今後の水分消費を抑えるようにした。
大門沢小屋からは富士山が見える。テント場が一番見晴らしが良くて、ここでテントを張って富士山を見ながらのんびり過ごすのもいいかもしれない。
冬期小屋が開放されており、中は非常にきれいで26人程度収容可能。使用時は鍵付きのBOXがあるのでそちらにお気持ちを入れるシステム。
トイレは男子小用は外から背部丸見えのワイルドなスタイル。
営業期間中はシャワーも利用可能な山小屋。
逆ルートで下山のときもここで途中1泊してゆっくり下る手もある。
HPを見てみると、薪ストーブ、ランプ、イワナの塩焼きなど、ちょっと気になる山小屋。
稜線の大門沢下降点へ
水補給&休憩しているときに、一組の登山者がいて、話を聞いたら、ここから稜線に上がって広河内岳を超えて沢を下り、大井川へ下るコースの人がいらっしゃった。帰ってきて地図をみたら、結構な距離のルートでびっくり。大井川上流沿いを野営で下っていくのだろうか。
大門沢小屋あたりからは針葉樹林に変わり、登山道も斜度が急になる。おおきながけ崩れの脇の登山道を登り、その後もひたすら登る。水分消費を抑えるために、汗をかかないように休みながらゆっくり登る。途中に携帯の電波が入るところもある。標高を上げていくにつれ、周囲の山が見えるようになり、紅葉した山並みを見ながら登る。徐々に稜線が近くなり、なんとか大門沢下降点到着。
大門沢下降点には黄色い櫓があり、鐘があったため、とりあえず鐘を鳴らす。櫓には追悼碑が取り付けられていてその記載によると、1月4日に登山した25歳の若者がここで下降点を見失いビバークするも、下山途中で力尽きたそうだ。その遭難があって、この下降点目印の櫓が設置されたようだ。1月4日にこの稜線にいたぐらいなので相当レベルの高い方だったと思うが、冬の天候悪化は恐ろしい。
農鳥岳へ
稜線に上がって一休み後、農鳥岳へ。これまでの上りに比べるとだいぶ楽。景色を見ながら歩いていく。岩場をしばらく歩いて行くと、農鳥岳の山頂標が見えてきて、無事登頂。山頂は平らではないが、細長いスペース。何やらお賽銭のある石碑もあった。山頂はこの先にある西農鳥岳から連続した形で、いかにも山頂という感じではない。この農鳥岳が本峰扱いだが、実は隣の西農鳥岳のほうが標高は高い。農鳥岳山頂から、ひとまず下って、西農鳥岳へ。多少登り返しはあるが、こちらも尾根続きのイメージで山頂っぽい感じではない。それでも両山頂ともに3000mを超えている。(農鳥岳;3026m、西農鳥岳;3051m)
山頂からは南に塩見岳、悪沢岳、赤石岳。北には明日向かう間ノ岳、北岳。さらに奥に仙丈岳、甲斐駒ヶ岳が見渡せる。
西農鳥岳登頂後、農鳥小屋へ向かう。
農鳥小屋
農鳥小屋は昨年度までは名物親父さんがいた。15時を過ぎて小屋につくとありがたい説教をいただくことがあったらしい。しかしその親父さんも今年はお年を召されたためか、小屋には上がらず、今年度の農鳥小屋は素泊まりとテント泊のみの営業。また水場は設置なし。(管理は大門沢小屋のご主人)
訪問時はすでに冬季閉鎖となっていたが、冬季小屋として建物の一つが使える様になっていた。テント場も使える。ただし、水はなし。そのため、今回は水5Lを持って上がってきた。
小屋に到着後、まずは一休み。富士山を眺めながら持参したブランデーを飲んで休む。テント場からは富士山がよく見える。目の前の間ノ岳やさっきまで登っていた農鳥岳などを見ながら贅沢な時間を過ごす。
日が暮れる前に夕食を済ませて、早めに就寝。この日は私の他に数名の人が泊まっていた。
22時ごろに一度目覚めて眼下に広がる甲府市の夜景を撮影してみたが、下界はちょっとガスがかかった感じになっていて、こればかりはその時の天候次第で仕方ない。
あまり夜景撮影も天候的に良くないようなので翌日に備えて就寝。
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