今回のルート
初日は、立山室堂から剱沢を下り、真砂沢ロッジへ。そこから仙人新道を登り、池ノ平小屋まで。
下記は全ルート
・2000m以上の標高での降雪は下界のイメージとは桁違い。
・積雪状態の剱沢は危険なので通過しないようにしましょう。
・シュラフに濡れた衣類を入れないようにしましょう。
紅葉時期の裏剱を見よう
奥劔の紅葉
裏剱の紅葉といえば仙人池の紅葉が有名だが、仙人池ヒュッテは小屋泊のみ。仙人池ヒュッテから30分ほど歩いたところに池ノ平小屋があり、こちらはテント泊が可能なので、池ノ平小屋へ。小屋の近くには10分ほど下ったところに平ノ池という池と池塘が散在する湿原もある。紅葉の裏剱を満喫するため、2連泊の予定として、初日に小屋に着くよう立山室堂からスタート、最もコースタイムの短い剱沢経由で行くことにした。
室堂は一面雪景色
出発前日に寒冷前線が通過のため、立山アルペンルートのバス途中からみぞれになり、室堂では積雪15〜20cm程度。ターミナルの登山情報では剱沢は通過禁止とはなっておらず、予定通り出発。外に出ると気温は氷点下のため立山玉殿の湧水は流れていたが、つららができている状況。もちろん、ガスって景色は見えず。風はある程度あったが、剣御前小屋を超えて剱沢に入れば風の影響も減るだろうと思って、まずは雷鳥沢野営場へ。
雷鳥沢は雪中テント泊状態
室堂ターミナルから歩くに連れて周囲に人気はなくなり、前後に数名ずつの登山者がいる程度。雷鳥沢野営場には前日から設営してあったであろうテント2張りがあった。
雪と強風の雷鳥坂を登る
雷鳥沢を剱御前小屋に向かって登るが、当初トレースがあり、ありがたくトレース泥棒をさせてもらったが、途中で私が先頭になる。誰か同じ様に剱沢を下る人がいないかと思って追い越しするときに訪ねたところ、1名が真砂沢へ行く予定とのことでちょっと安心する。
剣御前小屋が近くなると、風も強くなり、積雪も多くなったが、なんとかアイゼンは使用せず登ることができた。剣御前小屋のトイレで風をしのぎながらアイゼンを装着して、剱沢へ下る。ここからは完全に私一人だけになり、トレースもない中進むことになる。
剱沢野営場は雪でルート見えず
剱沢野営場までは夏道ルートはほぼ見えず、地図を見ながら概ねこの辺というあたりを下る。途中からは雪山と同じで、ガスって先は見えないものの、剱沢野営場の方向めがけてまっすぐ下ることができたので意外と時間はかからず野営管理事務所到着。この手前で登ってくる2名がいたので、真砂沢から上がってきた登山者かと思って挨拶したら、剱沢の登山警備隊の方。とりあえず真砂沢まで下りますと話したら、スラブや鎖場など雪が積もっていていやらしい状況なのでくれぐれも注意する様に、とお言葉を頂いた。ここで行かないようにと止められたらここで終了となるところだった。
剱沢野営管理所で雪渓付近のルート確認できず
野営管理事務所となりの警備隊派出所で剱沢の状況を地図などで示されたものを見ようかと思ったら、先程の警備隊員が出ているため鍵がかかって地図的な説明は見れず。剱沢は夏道を通過するようにと室堂ターミナルに記載があったので、夏道を下る。
初めての剱沢、さらに積雪のためルートが不明瞭
雪のためルートが不明瞭だが、時々地図(GPS)を見ながら方向を確認し下る。やがて雪渓が見える様になるが、クラックが入って途切れた状況のため雪渓に上がる気がせず、ひたすら夏道を下る。後から来る人が混乱しないように変なトレースをつけるわけにも行かず、結構緊張してルートを探る。
平蔵谷出合付近のスラブや鎖場は雪が積もっており、まだ氷点下のため、雪自体がステップになって意外とすんなり通過。その後の鎖場はロープなどが雪に埋まった状況だったが、ロープの上端がまだ見えていたことや、ところどころピンクリボンが見えていたので、それらをつなぐように歩く。この時点でアプリの登山ルートから大きくハズレた場所となっていたが、ピンクリボンやお助けロープの末端などを目印に進む。積雪があるので下ること自体はそれほど大変ではないが、トラバースする斜面は、万一滑落したら下に流れる剱沢の冷たく青い激流にダイブすることになり、打ちどころが良くても、低体温症で死んでしまうことになるのでちょっと気を使った。
やがて長次郎谷出合付近に近づくが、このあたりで右岸から左岸にルートが変わる。雪渓の端と斜面の間が結構広がっていて、しばらく歩いて雪渓に乗れる場所を探して無事雪渓に乗る。
無事劔沢の雪渓を渡って、真砂沢ロッジへ
雪渓に乗ったらまっすぐ横切り、左岸ルートのピンクリボン標識へ。ここからは雪も少なくなり、ルートも見える様になって、真砂沢小屋へ
ここまでのルートが結構きつかったので、真砂沢ロッジでテント泊も考えていたが、テント場が一面水とみぞれが溜まった状態だったので、予定通り池ノ平小屋へ進むことにした。
真砂沢ロッジのご主人にルートのことを聞いた際に、積雪状況での剱沢ルートは使わないよう説明しているので、今回降りてきたことを広めないでくださいと言われた。ですので、この時期には剱沢ルートを使用しないようにしてください。滑ったら冷たい剱沢の激流に飲まれ、雪渓に下に滑り込んだりしたら、ほぼ100%死んでしまうと思います。
仙人新道の急登を登って、池ノ平小屋へ
真砂沢ロッジを超えると雪はほとんど消えた。河原に出て、岩場を鎖を頼りにヘツって近藤岩のある二股分岐へ。ここで吊り橋を渡って二股上流へ進むとすぐに仙人新道入口。ここからは仙人峠を目指して急登を進む。
道は整備されており、登り返しもないので、黙々と登っていくと、再び雪が出始め、やがて仙人峠に到着。右手には仙人池ヒュッテが見えるが、裏剱はずっとガスの中にあるので池越しの景色も期待できないため、そのまま池ノ平小屋へ。
峠に看板があり、池ノ平小屋へは30分。雪の重みで木の枝が登山道を塞ぐように垂れ下がっていて、なかなか思うように進めず。トレッキングポールで払いながら歩くとやがて池ノ平小屋が見えてきた。
池ノ平小屋に到着後、テント泊の申込みをして、テント場へ。流石に天候も悪いので他にテント泊の人はいなくてソロテント泊となった。
初日はテント泊
テント場は一面雪。ここに来て初めての雪上テント泊となる。シュラフやマットなどは氷点下対応のものを持ってきていたので大丈夫だったが、ガスが通常のものだったためガスストーブを使っている途中に出力が下がって途中でガス管を寝袋の中に入れるなどして対応。
夕食を取って就寝するが、強風と雨が続いた。クロスオーバードームは耐風性自体は問題なかったが、雨で濡れたシングルウォールでは結露が避けられず、テントが風で煽られるたびに結露が顔に飛んできた。
また、濡れた靴下を着乾かししようと履いたまま寝袋に入って就寝した。が、これが失敗で、靴下はある程度乾いたものの、シュラフのアウター側の防水生地の内部結露で、フットボックス付近でダウンが濡れてしまうことになった。シュラフに入るときは乾いた着替えに変えてからにしよう。ずっと雨でテント内の湿度も高くなったため、透湿性のあるアウター生地であっても、靴下など濡れた衣類からの湿気は放出しきれなかったのか。
なんとか一夜を過ごしたあとは、天候悪化によるキャンセルのお陰で小屋に空きがあったことや、もう一人連泊した方のおすすめもあり、素泊まりに変更した。
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