今回のルート
裏銀座ルート、雲ノ平を経由し高天原山荘へ
この日は烏帽子小屋から黒部五郎岳、水晶小屋と裏銀座ルートを進む。その後雲ノ平を経由して高天原山荘に向かうルート。
下記は全行程のルート
烏帽子小屋から高天原山荘へ
烏帽子小屋テント場の朝は早い
烏帽子小屋テント場は2時すぎ頃から出発準備を始める人が多い。当初4時頃に出ようかと思っていたが、周りの登山者が準備を始めたので、それにつられて撤収し、3時38分に出発。まだ星が出ている状況でヘッドライトを付けて歩く。烏帽子小屋のテント場は中に登山道が通っているが、たまにテントサイトへの道なのか、登山道なのかわかりにくいことがるので夜間は注意が必要。
三ヶ岳を通過し黒部五郎岳へ
ひょうたん池の横を通過すると、稜線に出る。稜線上は風がやや強いが、天気は良好。烏帽子小屋から三ヶ岳まではなかなかの登り。前後には他の登山者のライトがチラホラ見える。三ヶ岳付近は頂上を巻くように歩くので、どれが三ヶ岳頂上なのかはわからないうちに通過。その後も黒部五郎岳に向けて稜線を歩く。登山道は大きめの岩が多くなってくる。途中で日の出。日の出時間に近づくに連れて稜線にガスが上がってくるようになり、日の出もガスのなかの日の出となる。このあとも稜線上はガスが掛かり景色があまり見えない中、縦走。
やがて黒部五郎小屋に到着。そのまま黒部五郎岳へ。黒部五郎岳頂上付近はなだらかな道で、石を積み上げた土台の上に山頂票がある。周囲は広くて、天気が良ければ休憩しやすい場所。この日は景色が見えず、先も長いので少し休んで出発。
黒部五郎岳から水晶小屋へ
真砂岳へは花崗岩が風化した砂地の登山道を下る。登山道はこれまでの岩だらけの道とは雰囲気が変わる。時折黒部五郎岳のカール地形にある五郎池も見えるが、最近の水不足のためか、水は枯れていた。唯一変わらないのはガスまみれの景色だけ。
真砂岳を過ぎると竹村新道への分岐。今回は水晶小屋方面に進む。真砂岳から水晶小屋へはいくつかの岩峰を巻いたり登ったりしながら進む。南斜面は切れ落ちている部分もある。ガスのため先が見えず、目の前の登りをこなしたら水晶小屋かと思いながら進むが、その度に新しい登りが姿を表し徐々にやる気が削がれる道。景色が見えていたらまた違った気分で通過でいたかもしれない。心を無にして登るとようやく水晶小屋に到着。
ようやく水晶小屋。でもガスって景色は見えず
水晶小屋に到着したが、景色は見えず。行動食を取りつつ休憩。予定ではここから水晶岳に登り、温泉沢をくだり高天原山荘へ向かうのだが、どう見てもガスの中でしかない。景色が見えない稜線歩きは苦痛なので、明日通過予定の雲ノ平方面へ進む。標高が下がってくると、ガスが晴れて、雲ノ平が一望できる用にななる。ワリモ岳分岐から祖父岳を経由し雲ノ平へ。
今年の雲ノ平は枯山水バージョン
雲ノ平は通常であれば池塘が散在し、木道周囲に小川が流れ、といった世界のはずだが、最近の水不足の影響で池塘はほぼ干上がり小川も枯れ川となり、今年の雲ノ平訪問時は枯山水の世界となっていた。
雲ノ平山荘が見えてくるが、高天原山荘方面に行く前提だとちょっと山荘まで登ることになるのだが、登るのが面倒なので通過。
高天原峠への道
雲ノ平山荘点前から高天原峠へ向かう。岩場を越えて、樹林帯に入り標高を下げて行くが途中から激下りになる。はしご3連続などもあり、結構急な道になる。雲ノ平は台地上の構造で上部はなだらかだがその周囲への斜面は結構急。そのため薬師沢へのルートなどは大きな岩がゴロゴロした急登という、できればあまり通りたくない道になっているが、台地を登る急斜面の試練をこなしたものだけが雲ノ平に入れるわけである。
高天原峠から高天原山荘へ
それまでの急な下りに比べると比較的やさしい道を下る。やがて沢沿いを歩いたあとに、橋を渡って対岸へ。少し歩くと高天原と呼ばれる湿原に出る。湿原を抜けた先に今日のお宿、高天原山荘到着。
高天原山荘
以前はモリブデン鉱山の作業員宿舎だったところ。それを改装し現在の山荘となっている。周囲の水不足に悩まされる小屋とは違い、水は潤沢に出ている。
小屋の受付を済ませて、指定の場所へ。2階の階段を登ってすぐの突き当り6番が今日の寝床。2階は広く、40人ぐらいは寝るスペースがある。一人あたり、1畳程度、布団も1セット取ってある。この日は高天原峠から下るときにお話して、露天風呂でも一緒に話をしていた男性がたまたま隣となって、落ち着いて眠れた。
1階には乾燥室があり、汗で汚れた服を小屋裏手の水場で洗い、干しておくことが可能。晴れているときはストーブがつかないので、むしろ風通しが悪く乾きにくそうだったので、裏手の物干しに干しておいたが、これが夕方の雨で結局ビショ濡れになるとは、このときは予想だにしなかった。
日本一遠い温泉到着
到着後、着替えと簡単に洗濯をしたあと、今回の目標、最も遠い温泉へ。温泉を満喫するため、水筒に水場で水を汲み、フロントでアルコールを買い込んで出発。
小屋からは20分程度で温泉沢沿いにある「からまつの湯」に到着。仕切りのない露天風呂に入りたかったが水着をきた女性数名が先客で利用中だったので、仕切りのある内湯(といっても露天風呂)へ。
湯船は岩を組んで作ってあり、周囲に木の板があり、湯おけが置いてある。温泉は白濁した硫黄臭のあるこれぞ温泉、といったお湯。やや熱めだが、時々浴槽に腰掛け、ビール片手に周囲の景色を眺めながら、湯船で一緒になった方々と情報交換したりであっという間に時間が過ぎた。
川沿いの露天風呂が空いたら行ってみようと思っていたが、タイミングが合わず、今回は入れず。それでも内湯でも十分露天風呂を満喫できた。入ってしばらくすると雨が振り始め、雨に打たれながら入る露天もまたよし。
この露天風呂の先にある夢の平と竜晶池に行ってきた人によると、そちらの景色も素晴らしいとのことで、入れなかった露天風呂と夢の平訪問のためまた来ることになるのかもしれない。
雨が弱くなった頃合いをみて宿に戻る。そして裏に干されっぱなしのトッキングパンツを回収し、乾燥室へ。乾燥室はストーブが炊いてあるが、すでに大量の衣類が干されており、入った瞬間に湿度の高いムアッとした空気が充満し、眼鏡があっという間に曇って見えなくなるほど。本当に乾くのかと思っていたが、よく朝行ったらしっかり乾燥していた。
夕食は17時から。皆さん静かに食べる。小屋の照明は灯油ランプなので雰囲気のある中の食事。やや食材が少なくなっているようだが、ご飯と味噌汁お変わりしてたくさん食べた。
夕食後は明日早出なので、ある程度荷物をまとめてから就寝。室内は夜間も灯油ランプの明かりが灯されていた。
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