奥劔の三段紅葉の旅2 池ノ平小屋の休日

登山
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今回のルート

2日目は池ノ平小屋で。刻々と変わる八ツ峰・チンネの景色を見ながら酒を飲んでまったり過ごす。3日目は梯子段乗越を経由して黒部ダムに下山。

下記は全ルート

・池ノ平小屋は小屋滞在で贅沢なロケーションとお酒などを楽しめる小屋。通過はもったいない。連泊でこそ楽しめる山小屋。

紅葉時期の立山黒部アルペンルートはかなり混雑する

池ノ平小屋とは

モリブデン採掘を行っていた小黒部鉱山の鉱山事務所跡地にある山小屋。
小屋のそばにある池ノ平山でモリブデン採掘が行われ、1917年には国内のモリブデン産出量の76%と占めたとされている。
池の平小屋までは、コースタイム上、最も短いルートで立山室堂から剱沢を経由するルート、コースタイム8時間、12.2km。他には黒部ダムから梯子段乗越を経由するルート(10時間30分、11.4km)、阿曽原温泉からのルート(8時間42分、8Km)がある。
小屋からは八峰、裏剱が目の前にそびえ、小屋から10分ほど下がると平の池があり、池と池塘が散在し湿原越しの裏剱を眺めることができる。
剱岳を北方稜線ルートで登る場合はここを起点として出発することが多い。
小屋宿泊の場合は希望があれば天候にもよるが、八ツ峰を眺めながら入れる五右衛門風呂がある。

宿泊定員22名(要予約)。テント泊は20張り程度(予約不要)

小屋の情報、HPはこちら 奥劔 池ノ平小屋

Facebookページでは日々の小屋の状況などが見れます。

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池ノ平小屋の休日

シュラフ濡れたので、素泊まりに変更

朝に小屋のオーナーに素泊まりに変更をお願いし、ベッドの準備ができていないが、食堂で休んでいいですよということになり、ゆっくりテント撤収を進める。

テント撤収後、荷物を食堂の片隅置かせてもらい、平ノ池に降りたり、小屋の横の広場のベンチで午前中から酒を飲みながらガスのなかで見え隠れする八ツ峰やチンネなどの裏剱の岩峰を眺めて時間を過ごす。

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天気のいい日は、みんなでお茶の時間が贅沢

やがて小屋の方々のお茶の時間になり、ご一緒させてもらって絶景を眺めながらみなさんとお話したり、オーナーさんのドローン撮影に映り込んだりして、今までにない山小屋の時間を過ごす。目の前に絶景があり、オーナーさんが作ってたテーブルとキャンピングチェアでくつろぎながら、お酒を飲みつつ、裏剱を眺める贅沢なひととき。縦走で通過するだけではなく、小屋で過ごすだけというのもいいものだと思った。

スタッフさんが仕事に戻ったたとも、テーブルと椅子を使わせてもらり、太陽が出るようになったため、今夜使うシュラフを乾かすなどもできた。

午前中は私ともう一人に宿泊者(オーナーさんの友人)の二人だけだったが、午後になると予約の登山者やテント泊の登山者が到着し、徐々ににぎやかになった。

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池の平小屋名物 五右衛門風呂

16時ごろから、池ノ平小屋名物の五右衛門風呂の準備が始まり、希望者が順番に入浴。風呂脇のむしろで囲われた所で脱衣し入浴。もちろんビール片手に入浴可能。一人あたり20分程度であるが、前後の着替えで5分程度は時間がかかるが、十分に裏剱の眺めとお風呂とビールを満喫。

夕食はは自炊のため、明るいうちに外のテーブルを使って済ませたが、他の夕食の時間と同様、宿泊等の食堂部分のテーブルで自炊可能だった。

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ここでしか飲めないウイスキー氷河ロック

夕食後は明日に備えて早めに寝る人もいれば、お酒を飲んで待ったりする人も。私も午前中からご一緒した登山者の方や当日登ってこられた方々とお酒の飲んで一休み。ここで小窓氷河の氷を使った氷河ロックをいただいた。何百〜何千年前の水でできた氷を使って飲む贅沢なウイスキー。とても美味しく、おかわりをしたことは言うまでもない。氷は溶けにくくく、1杯飲み終わったあとの残っているため、2杯目はウイスキーだけおかわりした。(1杯目は900円。2杯目はウイスキーのみで600円)

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途中でオーナーさんとも話をしたが、20日間かけて北アルプスや南アルプスを縦走したり、その際は無補給なので35Kgのザックで山行していたとのことで、常人離れした身体機能に驚く。私は19Kg が最高の重量だったが、35Kgってザックを担ぎ上げることすらできないと思う。池ノ平小屋のFaceBookにはオーナーさんの歩荷の様子が書かれていて、来る前まではあまりに常人離れした歩荷の様子(重量、スピードともに)でどういうことかよく分からなかったが、お話を伺ってようやく納得できた。でも、外見上はスリムな方で、どういう筋骨格になっているのか不思議である。

あっという間に消灯の20時となり、オーナーさんの挨拶をお聞きし就寝。

また来ようと思ったら、モンロー会に入会もおすすめ

池ノ平小屋はスタッフがアットホームな感じで、非常にくつろいで過ごせる小屋。他の小屋はいかにも営業然とした対応で、いかにも殿様商売的な感じでめんどくさそうに対応されることも多いが、ここではそういったこともなく、刻々と変化する紅葉と冠雪した裏剱の風景と温かいスタッフの対応で丸1日滞在したがあっという間に時間が過ぎた印象だった。

こちらは管理人夫妻も含めてボランティアで小屋維持運営されているとのこと。そのため池ノ平小屋のモンロー会というサポート組織があり、実際に小屋で活動できなくても賛助会員として年1000円の寄付金で池ノ平小屋の運営に協力できる。一度行ってみて、もう一度行きたいと思うようであれば、この風光明媚なロケーションにあるゆったり過ごせる池ノ平小屋の維持運営のためモンロー会への参加もおすすめである。宿泊当日も申し込みできるが、私は(酒を飲みすぎたため)現金の持ち合わせがなく帰宅後にHPから参加した。

翌朝、ガスが晴れて裏剱の写真撮影

翌朝は裏剱の稜線も見えるようになり、平ノ池で出発前の八ツ峰を鑑賞。写真を取りまくって帰ってからの写真の選定が大変になった。

一通り景色を満喫して小屋に戻ると、すでに荷物のおいてあるのは私一人だけ。やや出遅れ感を感じながら荷造りをして出発。出発の際は小屋のスタッフさんが鐘を鳴らし、見えなくなるまでお見送りをしてくれ、ちょっと寂しい気持ちになる。

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梯子段乗越経由で下山

仙人池に寄って裏剱の撮影

下山は剱沢は危険なため、黒部ダムへ梯子段乗越を経由で下る。途中仙人池ヒュッテにより、仙人池からの裏剱を鑑賞。ちょっと池が風で波立ち水面の劔岳は今ひとつな出来だったが、紅葉と裏剱を鑑賞できた。仙人池での裏剱を見た後は、黒部ダムへ。2日前に比べて雪も溶けており、特に危ないこともなく歩く。

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梯子段乗越に登り返し、内蔵助平へ下る

梯子段乗越までは結構な急登。稜線付近から池ノ平小屋が見えた。

内蔵助平へはそれまでの急登に比べると楽になるが、大きな岩が転がる沢を下る。やがて内蔵助平に到着。ここは2箇所ほどビバークポイントがあり、近くにも水場もある。ただ、周囲が笹薮なので、時期によってはクマが出そうで怖い。

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内蔵助平から内蔵助谷出合(下ノ廊下)までは急な下り

内蔵助平からは下の廊下へ沢沿い(崖っぷち)を下る。この下山ルートでここが一番大変だった。はしごや何度も登り返ししたりで、なかなか下の廊下にたどり着かない。逆に登りとしても大変な道だと思う。ようやく内蔵助谷出合に到着。ここからは下の廊下で何度も遠た道。黒部ダムへは程なく到着。

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紅葉時期の立山アルペンルートは混雑

黒部ダムから室堂まで、追加で切符を買って、ケーブルカー、ロープウェイ、トロリーバスを乗り継いで室堂まで。紅葉時期なので観光客が多くて混雑していた。トドメが室堂から美女平までの高原バス。予定ダイヤでは下山客をさばききれず、終始臨時改札として、回送されたバスが来たらすぐにお客を乗せて出発していた。美女平駅から最後の立山駅まではケーブルカーだが、こちらも通常20分ごとの運行だったが10分ごとに出発させて乗客をさばいていた。室堂ターミナルの高原バスが一番待ち時間が長かったが、無事下山。
黒部ダムについてから、立山駅まで4時間ぐらいかかってしまった。

紅葉時期で、今回のように剱沢が危険なときは、黒部ダムから入ったほうが、アルペンルートの費用も時間もかからないので楽かもしれない。

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下山のお風呂はゆーランド立山吉峰温泉

こちらは町営の施設、宿泊設備も併設している。お湯はアルカリ性で、無色無臭(軽度の塩素臭あり)。ツルツルした浴感で590円(JAF割引価格)で露天風呂やサウナ付きでこの泉質であれば言うことはない。 HPはこちら ゆ~ランド 立山吉峰温泉

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