日本一遠い温泉への旅3:水晶岳〜鷲羽岳〜伊藤新道

登山
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今回のルート

温泉沢経由で水晶岳、鷲羽岳縦走。伊藤新道で下山

日本一遠い温泉を満喫したあと、温泉沢を登って一気に水晶岳登頂。その後は鷲羽岳を縦走し、三俣山荘へ。水を補給後、伊藤新道を下り、湯俣温泉を経由して七倉登山口に下山。

下記は全行程のルート

高天原山荘から水晶岳へ

温泉沢を登る

3日目は前日、ガスのため延期した水晶岳へ。温泉沢を登って稜線に向かう。

まだ暗い、3時に出発。外は星空で、前日お話しした同じく温泉沢を登って赤牛岳に向かう方と玄関で一緒になる。準備ができて一足先に出発。

昨日満喫した温泉の脇を通って沢を登る。水量は少なく、それほど濡れることなく渡渉できる状況だった。渡渉ポイントやルートは赤ペンキでのマークがあるが、時々見失うので状況を見ながら歩く。やがて温泉沢の枝沢に入る。しばらく登ると、横にロープが張られた場所につく。何故かこのロープを超えてしまって進むが、やがてどう見ても登れるような沢ではなくなり、地図を確認したらルートミス。粛々と沢を下った所、横に貼られたロープの右岸に、尾根に取り付くお助けロープが張られた登り口を発見。

ここを登ると、沢は終了。笹薮の中を歩くが、夜露がものすごくて沢を渡渉するよりも全身ビショぬれになった。やがて樹林帯となり、その先に進むと、ハイマツ帯。さらにその先はザレた斜面となって最後は岩稜帯となり、水晶ー赤牛間の尾根に位置する温泉沢の頭に到着。途中で夜明けとなり朝焼けの薬師岳を眺めながら標高差約1,000m程度を登った。

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水晶岳へ

温泉沢の頭で休憩。休憩中に玄関で一緒だった方も到着。ここで私は水晶岳、あちらは赤牛岳へ。

水晶岳は赤牛岳側から見ると意外といかつい外見で、どこを登るのこれ?といった感じ。実際に歩くと見ていた正面ではなく高天原側に回り込んでから登る形だった。急ではあるが、それほど危険なところはなく水晶岳登頂。

水晶岳からは黒部ダム湖と立山・剱岳、白馬三山、鹿島槍ヶ岳、薬師岳に槍ヶ岳、昨日通った野口五郎岳と周囲の山々を一望できた。しばらく山頂で景色を楽しんでいた。

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鷲羽岳から三俣山荘

鷲羽岳・三俣山荘へ

休憩後は水晶小屋へ下り、ついでワリモ岳経由し、鷲羽岳へ。鷲羽岳へのつづら折り登山道は白馬へ向かうときの小蓮華山の稜線登山道と似ている。

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鷲羽山頂からは鷲羽池越しの硫黄岳と槍ヶ岳が見えた。この鷲羽岳で今回の参考のピークハントは終了。これまで歩いた道を見渡してから三俣山荘へ下る。

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三俣山荘で水補給と伊藤新道通行届提出

三俣山荘に到着後、水を補給。小屋の前の水道は枯れているが、テント場の水場はまだ水が取れるので、ひとまず先にテント場の水場で水補給。水場周囲のテント場はすでに満員だった。

小屋に戻って伊藤新道の通行届を提出。通過予定は途中でビバーク予定として翌日下山とした。通行届提出後、伊藤新道へ。

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伊藤新道

始めはなだらかな樹林帯の道、やがて激下りとなる。

鷲羽岳の山腹にある登山道と歩き、樹林帯へ。途中沢で登山道が分断されている場所などあったが、概ね問題なく通過。第一庭園を超え、展望台へ。ここからは赤茶けた硫黄岳が見える。

展望台を超えて更に樹林帯を下がる。やがて急な下りとなるが、このあたりは一部登山道が崩壊したあとのようで、整備され始めているが、結構大変な下りとなる。途中硫黄沢が見えるところがあり、硫黄で白くなった谷と野湯とその周囲にテント数張りがみえた。温泉脇のテント泊をしてみたかったが、意外と時間が早かったので、当初のビバーク予定をキャンセルし、そのまま下ることとした。緑ホースの目印を超えてすぐ赤沢に到着。この赤沢から緑ホースのところに登るところがわかりにくいようで、休憩中に登ってきた方はそのまま赤沢を遡上していった。

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硫黄地帯を下る

赤沢からまた急なザレ場を登って樹林帯を歩く。やがて茶屋跡付近にくると白い砂地の斜面となる。更に下ると周囲に硫黄の噴気があったような斜面ととなり、そこを下ると、ようやく第五吊り橋跡に到着。ここからは湯俣川の沢歩きとなる。

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沢歩きゾーン

渡渉ポイントはいくつか設置されているので概ね迷うことはないが、時折目印がなかったり、大きな岩を巻いて登ったりするところがある。このときは水量が少ないこともあり、第4吊り橋や岸壁のヘツリは水深が浅かったので渡渉で通過した。水量が少なければ状況をみて自由に渡渉しても大丈夫だと思う。

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上流は幅が広いが、下流に向かって狭くなる渓谷

渡渉は水が冷たく、疲れた足を冷やす事もできてなんとも不思議な感じ。更に下っていくと、徐々に峡谷の幅が狭くなり、岩を巻いて歩くようなルートも出てきた。川幅の狭くなるため、水量が少ないと言っても水深は深くなり、流れも強くなる。通称ガンダム岩では岩の下の水深が深いので、ここは岩に取り付けらたれたステップを使用し通過。このあたりの水深、水流の強さがルート全体の中で最も深く、急流となるので、ここを通過できれば上流域ではそう心配はないと思う。

その後はまた川幅も徐々に広くなり、主に右岸を歩いて下る。やがて湯俣温泉が近くなり噴湯丘に到着。噴湯丘には行かなかったが、その付近に激アツの温泉が自噴しており、その湯を使った野湯があった。入ってみようとかとザック置いたが、そのときにブユのような小さな虫がザックに数匹取り付いたので入るのはやめた

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湯俣山荘で下山届提出

山の神の祠と、吊り橋を通過し湯俣山荘へ。対岸の青嵐荘前にはテントが貼られて盛況。温泉も立ち寄りたかったが、このときすでに17時30分。これから七倉登山口まで歩く予定なので、温泉は諦めた。
湯又山荘では入り口脇に登山届受付場所があり、ちょうどスタッフがいたので声をかけて下山届提出。下山届けは特に書類を書くわけではなく、氏名を伝えて終了。上部で出されたと届けはLINEを使って湯又山荘スタッフと共有しているようだ。

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日没後、七倉登山口まで歩く

湯俣山荘からはひたすら七倉登山口まで歩く。どんどん暗くなり、月明かりもない中、ヘッドライトの光を頼りに歩く。途中名無避難小屋でビバークする方にあった以外は人気のない林道を歩く。途中長いトンネルがあり、最後のトンネルを抜けると高瀬ダムに到着。ここから再び高瀬ダムを下り、トンネルを通過しながらようやく20:30分ごろに七倉登山口到着。

時間が遅いため、下山後の温泉は入れず。今回は着替えて途中食事を取りながら帰宅した。

・高天原山荘、温泉は遠いが、行ってみる価値はある
・水晶岳は周囲の名峰を一望できて、途中に邪魔する山がないので北アルプス有数の展望

・温泉を楽しむための準備(飲料水、酒など)は万全に。長湯で雨がふる事があるので、不安な人は雨具などの対策を。
・伊藤新道は、開通したとはいえ、まだ赤沢からの登りの部分は整備途中の状況と思われる場所もあり、ある程度の体力や技術が必要。
・湯俣川の水が少なければ、渓谷ゾーンの難易度は高くない。
・今回は渡渉もあるので非防水のトレランシューズ(HOKA SpeedGoat5)。伊藤新道の渡渉は問題ないし、それまでの稜線歩きもOK

・伊藤新道の沢下りで濡れたまま七倉まで歩いたら、水で皮膚がふやけたためか、足に水膨れができた。
・湯俣から七倉までの距離が地味に長い。暗くなってから一人で林道を歩くのはちょっと寂しくなる。

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